株式会社日本カーゴエキスプレス
JAPAN CARGO EXPRESS CO., LTD.
本社:
〒105-0003
東京都港区西新橋1-20-9 TSRビル4階
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物流ニッポン

2011年(平成23年)2月7日号
「人に任せることも大事」
社員に「夢」与え続ける

「先代社長が元気なうちが、会社を改革するチャンス」。日本カーゴエキスプレス(東京都港区)の鈴木隆志社長は、33歳の若さで社長に就任した。「師」と仰いでいた父が病に倒れ、銀行を辞めて日本カーゴに入社。父の他界で社長を継ぐまでの数年間、様々な改革を実行した。トップの権限委譲に関わる先代のバックアップの重要性を強調する。

1968年に父、鈴木唯男氏が創業。「小さい頃、父が運転するトラックの助手席に乗って走った記憶」をたどると、「子供の自分が荷物を届けたら、お客さんが喜んでお菓子をくれた」などほほ笑ましい思い出もある。長男だったこともあり、会社経営についてや、「人を動かし、まとめていくにはどうしたら良いか」など教えられてきた。  中卒で会社を立ち上げ、友人を多く持たず、健康を患っても病院に行く暇もないほど働き詰めだった父を見て「同じ方向性で勝負してもかなわない」と判断。隆志氏は大学でマーケティングを学び、友人と広く交流し、卒業後は銀行に就職した。「父に評価してもらいたいという気持ちも大きかった」  89年に唯男氏がくも膜下出血で倒れ、幸い命は取り留めたものの、今までと違う父の姿を目の当たりにし、「自分の手助けが必要と感じた」。銀行ではトップクラスの営業成績を残せたこともあり、3年後には日本カーゴに入社することを決定。唯男氏が他界した95年に、社長に就任した。  入社当初は、花きの梱包資材販売を扱う商事部に所属。会社を継ぐことは決まっていたが、ベテラン社員の顔を立てたり、「現場を知らない人間に社長が務まるか」という反発を避けるため、熟慮した結果の配置だった。その後、コア部門である航空部の立て直しや営業部の新設など改革を推進していく。  先代が亡くなり、名実ともに会社のトップになってからは、「自分を叱ってくれる師がいない」ことに危機感を感じた。「まだ会社を継いでいない二代目とトップに就いた二代目では、悩みの内容が異なる」。そこで、親子ほどの年の離れた経営者も含め、「社長の先輩」に経験や経営に対する考え方を聞いて回った。  ところが、社長就任から1年後、「経営者は想像以上に精神的に激務」と思い知らされる。頭痛が続き、やがて半身が動かなくなり、脳梗塞と診断され、1か月の入院を余儀なくされた。「現場に認められたい」と「誰よりも早く出社し、誰よりも遅くに退社」の生活を見直し、「人に任せることも大事だ」と認識した。  日本カーゴでは、「価格競争に陥らない、付加価値の高いサービスの提供」を目指した結果、顧客層を外資系や医療メーカーなどに広げることに成功。また、運送の川上、川下のニーズを拾い上げていく戦略を掲げ、倉庫部門(システム流通部)の新設、さらには企業のメール室業務委託など業容を拡大していった。  Bt oC(企業−個人)ビジネス、生鮮・引越業務、海外関連の物流など日本カーゴがノウハウのない分野、すなわち「弱点」に着目し、それを克服するためにスタートさせたのが、パックメール事業。2006年にオープンした「パックメール西新橋店」(港区)は、美術品の梱包・発送などを中心に好調に推移している。  「社長の仕事は社員に夢を与え続けること」と隆志氏は強調する。航空貨物代理店として独自ブランドがあり、荷主との直接取引にこだわってきた自負がある。「社員には意欲を持って仕事をしてほしい」と話す隆志氏は「前向きにチャレンジすれば、方法はいくらでも見つかる」と強調する。

2010年(平成22年)10月4日号
「運送以外のニーズを事業化」
都市型ビジネス拡大「当日便」で生き残り

日本カーゴエキスプレス(鈴木隆志社長、東京都港区)では、運送業周辺の都市型ビジネスを拡大している。米パックメール社と提携し、パックメールジャパン東京西新橋店を展開。企業のメール室のアウトソーシング(業務委託)や東京−横浜の「当日便」など、大都市ならではのサービスで運送会社としての生き残りを目指している。

1968年の設立以来、航空貨物輸送を軸に陸上輸送、梱包包装資材の企画・販売などの事業領域に進出。重要書類、精密機器、美術品などデリケートな製品の輸送で実績を持つ。「トラック30〜50両の会社の将来性は、特殊な輸送に特化するか、運送以外のニーズを拾い上げ事業化していくか、どちらかしかないのでは」と鈴木社長。日本カーゴは後者を選んだ。  その一つが企業のメール室業務。現在35か所で受託するなど、競合が激化している中で堅調な実績だ。そのカギとなるのが「お客様に合ったメール室」の提案。「顧客の数と同じ数のメール室のパターンがある」と言うように、顧客のニーズを理解するには企業文化への感度も必要とされる。  パックメール事業は9月で3年目を迎え、月間売上高500万円の事業規模に成長した。梱包から国内外の発送まで一つの窓口で行う物流コンビニエンスストアだが、美術品をメーンにオークション会社のユーザーが増えてきている。海外向けの教材(跳び箱、理科教材)など難易度の高い「大型の壊れ物」の取り扱い実績もあり、物流会社からの問い合わせにも対応する。  得意とするドキュメント輸送では、「バイク便よりも安い」をコンセプトに、東京−横浜の当日便を強化している。宅配会社が提供する同様なサービスの多くが「夕方配達」のため、日本カーゴでは配達時間を午後2時、3時に早めたサービスで差別化。顧客のビジネスタイムに合わせた配達時間設定だが、午前と夕方の集配時間の合間を有効活用し、車両の稼働率アップにもつなげている。   梱包資材の商社機能も充実させる。昨秋、梱包資材部をシステム流通部のある葛西流通センター(江戸川区)に拡張移転した。物流関連だけでなく、ロゴ入りダンボール・封筒、広告を刷り込んだトイレットペーパーなどアイテムは様々だ。  「すぐ使いたい」「オフィスに置場がない」など、都心の顧客ニーズをキャッチし、売上高全体の2割を占める事業の柱となった。  こうした「多角経営」は運送との接点が全くないわけではない。「運送の周辺で『これはできる、あれはできる』と事業を立ち上げてきた」。一方で、各事業分野の顧客がほとんど重複していない。 今後の課題は、各事業分野における顧客の擦り合わせと相乗効果の追及で、「お客様がどうしたら満足するか、一歩先を考え、一つの顧客に多彩なサービスメニューを提供していく」と意気込む。

2010年(平成22年)8月26日号
「当日便、サービス拡充」
日本カーゴ 午後3時までに配送

日本カーゴエキスプレス(鈴木隆志社長、東京都港区)は、東京−横浜の「当日便」サービスを強化する。配達時間は、「午後3時まで」と顧客のビジネスタイムに合わせたもので、午前と夕方の集配の合間の時間帯を有効活用することで、自社車両の稼働率アップにもつなげる。

同サービスは平日限定で提供する。集配エリアは東京・千代田区、中央区、港区、新宿区、品川区、台東区、江東区、大田区(東海のみ)、横浜・中区、西区で、東京−横浜の「幹線輸送」は鉄道を使ったハンドキャリーで対応。価格は1000円からで、横浜中区から東京港区に荷物を送る場合でも「重量2キロまでで1個1500円」。都内、横浜地区完結型の集配では、10キロまで引き受ける。  近年、横浜・みなとみらい地区で新規オフィスが増えていることから、サービスを拡充する。大手宅配業者の当日便の多くが「夕方配達」であるため、日本カーゴでは午後2、3時に早めたサービスで潜在需要の掘り起こしを狙う。  日本カーゴは船社・船舶代理店、通関業者などを顧客にしながら、東京−横浜のドキュメント配送の当日便では三十年来の実績を持つ。鈴木社長は「東京−横浜でバイク便を使うと、高速料を含めて8000円くらい掛かる。バイク便よりも安く、重い荷物にも対応できる。」と話している。

2008年(平成20年)11月17日号
「オンリーワンへの道」
カーゴエキスプレス 梱包を切り口にBtoC 美術品取扱サポート

日本カーゴエキスプレス(鈴木隆志社長、東 京都港区)では、荷物のコンビニエンスストア「パックメール東京店」(同区)が軌道に乗ってきた。日本カーゴの運送・倉庫のインフラも活用し、美術品のオークション企業から梱包・発送業務の受託を拡大中。梱包を切り口としたBtOC(企業1消費者)ビジネスで市場開拓に挑戦する。

1968年の設立で、航空貨物の取り扱いが発祥。以来、国内、海外向けにすべての貨物輸送を取り扱うライセンスを整備した。得意分野は、企業メール、有価証券、医療品・機材、精密機器、美術品など貴重品。都心ならではの需要に着目し、企業内メール室業務の受託といった新領域に進出した。
物流業界を取り巻く厳しいビジネス環境の中で、2005年に鈴木社長が打ち出した事業方針は@企業内のドキュメントおよび物流の総合的提案A個人情報保護に強い物流企業B自社ブランドによる直接取引−など。
実績と強みを生かせる新規事業として挑んだのが、BtoCビジネスだった。
2005年12月、米パックメール社と国際物流における店舗展開を目的に提携。梱包と発送を中心としたビジネスサービスコンビニエンスのフランチャイズ店舗「パックメール東京店」を翌年九月にオープンした。営業は手探り状態だったが、ホームページや口コミで顧客が増えつつある。
中でも、美術品などデリケートな荷物の取り扱いが目立つ。日本では個人向けの梱包サービスが定着していない。国内外の宅配企業も、きちんと梱包されていない荷物を引き受けないケースが多い。パックメールでは、個人だけでなく宅配企業からも依頼を受けて品物を梱包、最適あるいは指定の方法で発送する。
これに注目したのが美術品のオークション企業だ。現在までに大手十社のうち、半数と取引を実現した。通常、美術品は木枠梱包がほとんどだが、幅二bの絵画でも強化段ボールと再生紙を使った緩衝材で欄包する。
段ボール梱包は開梱・廃棄しやすく、海外バイヤー向けには航空運賃を大幅に低減できる。
パックメール事業を日本カーゴの物流インフラが支えている。美術品オークションでは、買い手が入金してからの発送となるため、一時保管が必要。店舗への持ち込みではなく、集荷を希望する顧客も多い。荷物のコンビニにかかわる運送・保管、梱包資材の調達を日本カーゴがパートナーとしてサポートする。
パックメール東京店の鈴木博久エグゼクティブ・ディレクターは「毎回、顧客もニーズも異なるため、ノウハウが蓄積されるまで一年掛かった。一点物、思い出の品など大切な品物を適切に梱包し、安全に届けてほしいというニーズは潜在的にある。『そこまでしてくれるのか』と言われるほどのサービスを目指したい」と意欲をみせる。
今後は、美術品分野で画廊、作家、販売者からの受託も狙う。個人の画家の海外展示会への出品などで梱包・発送のニーズを取り込む考えだ。「サービスは進化しなければならない。扱う品物が違うので料金設定は難しいが、個人顧客にとってはある程度、料金が分かりやすいことが重要。まだまだやることがある」
(石井 麻里)

2008年(平成20年)10月23日号
「特集!ロジスティック最前線/関東版」
日本カーゴ メール室代行が好調  100%の顧客満足を提供

企業内の書類や貨物を集約するメール室代行事業も好調だ。日本カーゴエキスプレス(鈴木隆志社長、 港区)では、本支店間のメールバック輸送を起点に、外資系企業を中心とする大手顧客の強いニーズを受け、2000年からサービスを本格化した。三井物産をはじめとした東京都内35か所および大阪、神戸で業務を受託している。

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