株式会社日本カーゴエキスプレス
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夕刊フジ

2006年(平成18年)10月27日
何でも運び屋絶好調   (パックメール東京)

●メダカの卵、スイカ、ひな人形から6b鉄オブジェまで

メダカの卵、高さ6bの巨大オブジェ、琴−。「壊れやすい」「規格外」などの理由で大手業者が敬遠する荷物を積極的に引き受ける物流のコンビニ≠ェ東京に初進出した。「どんなものでも、どこへでも」というモットーのもと、早くも続々と珍品≠ェ持ち込まれている。

●故郷や孫の家…中東など海外にも

「これまで本当にいろいろ送ってきました。『うまく届けば10億円の商売になる』と言われたデモ機械を米国に届けたり、店頭にいきなり乗り付けられたバイクを運んだり。名古屋のおばちゃんが自分で作ったスイカを抱えてきて、『長野の孫に届けたい』とか」
そう話すのは名古屋市に本拠を置く梱包発送会社「パックメール・ジャパン」(澤田貞雄社長)の澤田治ストアマネージャー。同社は全米などに450店舗展開する「パックメール」(本社・米デンバー)の日本総代理店として平成10年に設立され、念願の東京第1号店「東京西新橋ストア」が先月開店した。
オープン前から問い合わせが相次ぎ、取材の際にも米サウスカロライナ州宛の全自動麻雀卓が持ち込まれていた。澤田さんは「こういう卓は向こうでは手に入らないらしい。他の業者さんだと40−50万円だが、うちなら20万円」と胸を張る。
同社の特色は米国本社で研修を受けた社員らによる、どんなものでも梱包する独自のノウハウ。大手が破損リスクなどから敬遠する壊れ物類も、「荷物が箱の真中でちょうど浮いている状態にする」(同)ことで安全に運べるという。

●大使館等への申請各種手続きも

さらに荷物の種類、料金、到着日など客の求めに応じ、専門業者、空路や海路などルートの選択、現地トラックのチャーターなど調整も行う。三重県の離島の灯台に60`の精密機械を運んだ際は、「運送業者にルートにないと断られ、自分でかついで登山道をのぼり届けた」(同)。また、「メダカの卵を英国へ」「日本刀を米国の自宅まで」といった場合は、大使館など関係各所への申請手続きも代行する。
届け先は海外6割、国内4割。海外向け荷物はおもに引っ越しや観光客のお土産で、「大手は梱包しないし、大きさや重さで規格外と拒否されがち」(同)。これまでで最も大きな荷物は中東のホテルに送った6bの鉄製オブジェ12体だ。ちなみに国ごとに荷物にも傾向があり、「米国人は陶器や日本人形、カナダ人はこたつ、欧州人は無印良品の和紙製品など」(同)が人気だという。

●視線はネット競売品、美術品にも

国内向けで多いのが100体以上扱ったというひな人形。「お金で価値が計れない気持ちが入ったもの」(同)を大切に送る依頼が多い。これは米国でも同様で、代々受け継がれるおじいさんの時計≠ネどの荷物が多いという。
東京では銀座の画廊やインターネットオークションに需要を見込む。西新橋ストアの鈴木博久エグゼクティブ・ディレクターは「大手は競合相手が少ないからか、美術品の料金設定が当社よりかなり高い。また、ネットオークションには『海外発送不可』が多いが、うちのノウハウなら確実に送れる」と展望を語る。
大手のニッチ(すき間)を突いて独自路線を歩む物流のコンビニ≠ヘ、業績も「毎年20%ずつアップ」(澤田さん)。郵政民営化の逆風とは無縁のようだ。

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